占拠性病変(せんきょせいびょうへん)とは

脳、肝臓など体積をもつ臓器に、例えば出血、膿瘍(のうよう)、嚢胞(のうほう:水を蓄えた部位)、腫瘍(悪性、良性含む)などがその臓器の内部にできて一定の体積をもつ状態になったことを意味します。これが例えば脳の内部などで、頭蓋骨の内部で体積が限られていて余裕がないところでできると脳圧が亢進し、頭痛、嘔吐、うっ血乳頭(眼底検査でわかる)の症状が現れます。

 頭部の腫瘍ができると先ず、このような上記の3つの徴候が起こります。また脳内の血液循環を保とうとするために血圧上昇が起こります。またさらに症状が進むと、脳ヘルニアと言う状態になります。このような状態になると意識障害、呼吸障害、視野障害、対光反射の消失などの症状が現れます。

要するに、頭痛などで直ぐに頭の内部に腫瘍ができているのではないかと悩まれる方が非常に多いのですが、たいていは違うことが多いものです。もちろん頭痛が起こることもありますが頭蓋内で腫瘍が育ってくると典型的には朝気持ち悪くなり嘔吐するのですが、嘔吐したあとケロッとするようなことがみられるようになるものです。そのときには、かかりつけの医師や脳神経外科へ受診して頂くことをお勧めします。